建物以外にも、車庫(カーポート)・塀・物置などが自然災害や外部からの衝突などによって被害を受けるケースは多いです。特に台風などによる強風によって、車庫(カーポート)や物置の屋根が吹き飛ばされるという被害はよく起こっています。生活に大きな影響がない場合であっても、できるだけ早く修理したいですよね。
このように車庫(カーポート)・塀・物置などが被害にあって修理をする際、火災保険が適用になる可能性があります。今回は火災保険が適用されるケースや申請方法について詳しく解説します。
1. 車庫(カーポート)・塀・物置の修理で保険が適用されるケース
車庫(カーポート)・塀・物置は建物と一体になっていないため、建物に対して入っている保険の対象外だと考えている人もいるかもしれませんが、敷地内にあり、保険加入時に既に建てられていた場合は、火災保険の適用対象となります。
この章では、火災保険を適用できる可能性のあるケースをご紹介します。
① 車庫(カーポート)・塀・物置に風や強風、大雨、雪、ひょう、落雷などの自然災害による被害があった場合
自然災害により、車庫(カーポート)・塀・物置が被害にあった場合には、火災保険が適用される場合があります。(「風災、水災、雪災、ひょう災、落雷」など、対象となる災害補償のついた火災保険に入っている必要があります。)
*具体例
・台風で車庫(カーポート)の屋根が飛んでしまった
・豪雨や大雪によって車庫(カーポート)の屋根が歪んでしまった
・ひょうによって車庫(カーポート)の屋根に穴が空いてしまった
・落雷によって車庫(カーポート)の屋根に穴が空いてしまった
・台風による強風で塀が破損してしまった
・台風による強風で物が飛んできて、塀が破損してしまった
・大雪による重みで塀が崩れてしまった
・台風で物置の屋根が飛んでしまった
・台風で物置ごと吹き飛ばされてしまった
・豪雨や大雪によって物置の屋根が歪んでしまった
・ひょうによって物置の屋根に穴が空いてしまった
・落雷によって物置に穴が空いてしまった
② 第3者によりスプレーで落書きされた場合(落下・飛来・衝突の補償)
第3者によってスプレーで落書きをされた場合、スプレーは飛来物として扱われるため、落下・飛来・衝突の補償対象となる可能性があります。
③ 第3者によりペンキで落書きされた場合(破損・汚損の補償)
第3者によりペンキで落書きされた場合、ペンキは飛来物とはなりません。しかし破損・汚損の補償対象となる可能性があります。
④ 小さい子供などが落書きをしてしまった場合(破損・汚損の補償)
⑤ 車で当て逃げされた場合
「外部からの物体の衝突など」による被害についてもカバーされている場合
⑥ 自分で車をあてて壊してしまった場合
「外部からの物体の衝突など」による被害についてもカバーされている場合
2. 車庫(カーポート)・塀・物置の修理で保険が適用されないケース
残念ながら、車庫(カーポート)・塀・物置の修理で保険が適用されないケースもあります。契約内容によるところも多いので、今一度契約内容を確認し、今後のために必要であれば保険内容の見直しも実施しましょう。
①経年劣化
②家財保険のみに加入していた場合
※車庫(カーポート)・塀・物置などは建物として扱われます。
③保険対象の建物付属物から除外していた場合
④火災保険に加入した後に車庫(カーポート)・塀・物置を建てた場合
※追加された建物について報告し、再査定をしてもらう必要があります。
⑤地震で車庫(カーポート)・塀・物置のみが壊れた場合
※建物(屋根・外壁・柱・基礎)の損害状況で保険金を計算するため
⑥人的被害
・施工業者によって起こった、塗装ミスなどの施工不良
・施工業者の手抜き工事
⑦修繕費が20万円以下(損害額20万円以上タイプの場合)
⑧自己負担額よりも損害額(修理費用)が少ない場合(免責タイプの場合)
⑨被害を受けてから3年以上経ってから申請をした場合
※対象の災害に対する特例措置などにより、3年以上前の損害についても補償が受けられる場合があるます。
3. 車庫(カーポート)・塀・物置に関連する修理で火災保険を申請する方法
車庫(カーポート)・塀・物置に関連する修理をしたいと考えた時、火災保険が適用される可能性があります。
この章では、申請のための流れをご紹介します。
手順.1 保険会社(保険代理店)に連絡・書類の取り寄せ
書類到着までの時間は、数日~1週間程度です。
手順.2 修理業者で見積もりをとる(できるだけ写真撮影の依頼もしておく)
車庫(カーポート)・塀などの修理を依頼する機会は多くありませんので、相場感がわからない人がほとんどです。できるだけ複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。車庫や物置の屋根に損害を受けた場合など、高所で撮影しなければならず危ないので、修理業者に写真撮影も依頼することをオススメします。
見積もり段階の金額が20万円以下や免責金額以下になった場合など、火災保険申請対象外になってしまう可能性もあります。そのような場合は、火災保険申請代行業者に相談してみましょう。他にも被害を受けた箇所がないかチェックし、他の被害と併せることで保険申請が可能になる可能性があります。
手順.3 書類作成(被害状況などの記入)・写真撮影(自分で撮影する場合)
手順1で届いた書類に、被害状況を記入します。保険会社の審査に影響する大事な書類ですので、被害状況が正しく伝わるように丁寧に記入しましょう。
被害状況が正しくが伝わらなかった場合は、保険金の支払いが少なくなってしまったり、適用外と判断されてしまったりする可能性がありますので、不安な方は保険申請代行業者のサポートを受けることをオススメします。
写真の添付が必要なので、修理業者に依頼しなかった場合には、このタイミング準備してください。
手順.4 鑑定人による調査の実施
書類提出後、鑑定人により現地調査が行われます。その際、鑑定人からの質問に答えたり、被害状況の説明をしたりする可能性があり、その内容は審査に影響する情報となります。プロの鑑定人に「適用外です」といわれてしまうと、なかなか反論するのは難しいものです。正しく主張したい、より良い説明をしたいと思う場合などは、保険申請代行業者に依頼することも検討しましょう。
手順.5 審査結果の連絡を1週間程度待つ
審査結果の到着まで、1週間程度待ちましょう。
4.まとめ
車庫(カーポート)・塀・物置などは、大きな自然災害が発生したあとであっても、建物と比べるとその被害に気が付きにくいかもしれません。今回ご紹介したように、車庫(カーポート)・塀・物置も保険が適用される可能性がありますので、なんらかの自然災害があった後には一通り確認するようにしましょう。被害に気がつくのが遅れると、申請ができなくなったり、審査が通りにくくなったりする可能性があります。
また、車庫(カーポート)だけ、塀だけの被害に気がついた場合、見積もり段階の金額が20万円以下や免責金額以下になり保険適用外になってしまうこともあります。車庫などに被害を受けているのであれば、他の箇所にも被害を受けている可能性が十分にありますので、一度保険申請のプロにチェックしてもらってはいかがでしょうか。