自宅で雨漏りがしてきたら、困ってしまいますよね。そのままにしておくわけにはいかないので、早急に修理をする必要がありますが、心配なのはその費用です。雨漏りの被害にあったときでも火災保険は使えるのか、適用ケースと申請方法を解説します。
1.雨漏りの修理で保険が適用されるケース
自然災害により、火災保険が適用されるような被害にあった場合であれば、雨漏りも火災保険が適用されます。
（「風、雪、ひょう」の災害補償のついた火災保険に入っている必要があります。）
この章では、具体的に適用になるケースについてご紹介します。
①台風によって雨樋が損壊した場合（雨樋が外れて水浸しになった場合）
台風による強風によって雨樋が損壊したことが原因で雨漏りが生じた場合に、火災保険の風災補償が適用されるケースがあります。
②暴風によって漆喰が損壊した場合
暴風で漆喰が剥がれてしまったことが原因で雨漏りが生じた場合に、火災保険の風災補償が適用されるケースがあります。
③大雪（雪の重み）によって雨樋が損壊した場合
大雪による雪の重みで雨樋が損壊してしまったことが原因で雨漏りが生じた場合に、火災保険の雪災補償が適用されるケースがあります。
④強風によって楝板金が浮いてしまった場合
台風などの強風によって、スレート屋根の天井部分の止め具である楝板金が浮いたことが原因で雨漏りが生じた場合に、火災保険の風災補償が適用されるケースがあります。
楝板金は強風に弱いので、定期的にメンテンナスや交換を行っていても強風により影響を受けることも多く、風災補償が適用されるケースは多いようです。
⑤強風によって瓦がずれたり飛んだりした場合
台風などの強風によって、瓦がずれたり飛んだりしたことが原因で雨漏りが生じた場合に、火災保険の風災補償が適用されるケースがあります。
⑥竜巻や強風で飛んできた物によって屋根が損壊した場合
竜巻や台風などの強風によって飛んできた物により屋根が損壊したことが原因で雨漏りが生じた場合に、火災保険の風災補償が適用されるケースがあります。
⑦ひょうによって、天窓や屋根に穴が空いた場合
ひょうによって、天窓や屋根に穴が空いたことが原因で雨漏りが生じた場合に、火災保険のひょう災補償が適用されるケースがあります。
2.雨漏りの修理で保険が適用されないケース
残念ながら、雨漏りの修理で保険が適用されないケースもあります。
この章では、その具体的なケースについてご紹介します。
①経年劣化
経年劣化は、補償の対象外です。経年劣化とは、災害など突発的に起こったことではなく、時間の経過が要因で自然に劣化することです。
②人的被害（太陽光パネル工事中であったことによって損壊が発生した場合など）
太陽光発電の設置業者による施行中の過失などによる損害の場合は、補償の対象外となります。こうしたケースでは、施工業者から損害賠償を受ける必要があります。
③建築した際の手抜き工事などによる施工不良の場合
建築会社が行った手抜き工事による施工不良などの場合は、補償の対象外となります。
こうしたケースでは②と同様、施工業者から損害賠償を受ける必要があります。
④リフォームや増築工事が原因の場合
リフォーム業者が行った屋根のリフォームや増築工事が原因の場合は、補償の対象外となります。
こちらのケースでも、②③と同様、施工業者から損害賠償を受ける必要があります。
⑤修繕費が20万円以下（損害額20万円以上タイプの場合）
加入している火災保険において、損害額20万円以上タイプ（フランチャイズ方式）で免責金額の設定がされている場合、修理費用が20万円未満では保険金が支払われません。
⑥自己負担額よりも損害額（修理費用）が少ない場合（免責タイプの場合）
加入している火災保険において、例えば自己負担額（免責金額）が5万円で設定されていると、損害額（修理費用）が5万円未満の場合は保険金が支払われません。
⑦被害を受けてから3年以上経ってから申請をした場合
火災保険の有効期限は、基本的に3年です。そのため、自然災害にあってから3年以上経ってから申請した場合は、適用外となります。
※特例措置により3年以上前の損害についても補償が受けられる可能性があります。
3.雨漏りで火災保険を申請する方法
手順.1
保険会社（保険代理店）に連絡→書類が届く
まずは契約している保険会社（保険代理店）に連絡をします。
数日〜1週間程度で申請に必要な書類が届きます。
手順.2
修理業者に見積もりと写真撮影の依頼
保険の申請には、修理するための見積もりと損害箇所の写真が必要です。
修理を依頼する業者に見積もりの作成と写真撮影を依頼しましょう。
手順.3
被害状況を伝えるための申請書類作成・写真撮影（自分で撮影する場合）
被害状況を正しく伝えるために、申請書類を作成します。
自分で写真を用意する場合は、送付する損害箇所の写真撮影も行いましょう。
この書類の申請内容によって、保険審査を通過できるかどうか、また保険金の金額が異なってくるため、詳細でわかりやすく、正しい情報の記入が必要です。
保険申請書類の作成については、保険申請のプロに相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。
手順.4
鑑定人による調査
書類を提出すると、保険会社から依頼された鑑定人が現地の鑑定を行います。
この鑑定の際にどのように説明をするか、また交渉をするか、さらには鑑定人が正しく鑑定をしているかどうかを見極められるかがポイントとなります。
経験がないと難しいことなので、申請書の作成と同じく保険申請のプロに立ち合いをお願いした方がスムーズに行く場合も多いです。
手順.5
審査結果の連絡を1週間程度待つ
書類の提出、鑑定人の調査が終了したら、1週間程度で審査の結果が分かります。
4.まとめ
申請の内容（詳細が記載できているか。わかりやすい写真撮影ができているか。）や鑑定士への説明内容によって、保険の審査を通過できるかどうかが変わる場合があります。
うまく説明できるか不安がある方や、自分では原因がよくわからない場合は、一度保険申請のプロに相談してみてはいかがでしょうか。
また、ある1つの災害に対して、既に申請をして保険金を受け取った後、別箇所にも損害を受けていることがわかる場合があります。前回の修理箇所の見積もりと画像があり、新たに申請する損害が別箇所であることが証明できれば二重申請にはならないので、申請することは可能です。こうした申請が難しいケースについても、プロへの相談をお勧めします。
